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リニアモータ技術ガイド Vol.3

アイアンレス リニアモータ

アイアンレス リニアモータは並列に 2 本並んだマグネットと、その間を通る可動子によって構成されています(図 8)。可動子は通常コイル内部に積層された鉄心を使用していません。アイアンレスと言われるのはこのためです。
銅の巻き線(コイル)は鉄心を使用せずに、2 本並列に並んだマグネットの間に配置されています。モータコイル部に鉄を使用していないため、可動子とマグネットトラック列の間に引力やコギングは発生しません。更にアイアンコア方式と比較して可動子のサイズを小さくする事ができます。その結果、極めて加速度の高い、動的性能が高いモータの設計が可能になります。アイアンレスは構造的にコギングが一切働かず、引力も無いために軸受部(ガイド部)の寿命が長く、アプリケーションによっては、より小さいサイズの軸受部(ガイド部)を使用する事も可能になります。

動的性能に優れ、コギングがない事によりアイアンレスリニアモータで素晴らしい設計が可能になる一方で、アイアンコアに比べ放熱面での効率が劣ります。冷却のための表面積が小さく、コイルのベースとなる部分から放熱板まで熱が通る道が長いため、全負荷時での力が小さくなってしまいます。更にはマグネットを 2 列に配しているため、生成される力の大きさとストロークの割には全体的なコストが高くなという短所があります。

Parker が特許取得済みの Iビーム型コイルベースと重ねて配置するコイルのデザインにより、小さなパッケージで非常に大きな力を発揮できるようになりました。更に従来のアイアンレスタイプよりも放熱の効率が改善されています。
コイルを並べるのではなく重ねて配置する事により(図 9)Parker は出力密度の高いモータを提供する事ができます。その結果、同様の出力性能を  つ他の製品よりかなり小さいパッケージのモータとなっています。

Parker はコイルベースの端を 90 度に広げた I ビーム型を創り出しました。リニアモータコイルの端はモータの推進力には無関係で、単純に熱を発生しているだけです。Parker のIビーム型デザインによりモータコイルと放熱板が接触する表面積が大きくなり、両者の間の熱移動が効率的に行われるようになります。(図 10)重ねて配置したコイルと Iビーム型形状が組み合わされて、従来のアイアンレスリニアモータのほとんどのタイプよりも熱効率の高いものとなります。その結果、モータからの熱により、装着された機器の熱膨張が少なくなるのです。高い精度を必要とするアプリケーションにおいて、熱膨張がシステム全体の精度に悪影響を及ぼす場合があります。Parker のアイアンレス リニアモータは他の製品と比較して低い動作温度で動作する事で、システムの精度を保ちやすくしています。更に Iビームの形状にはモータ外形の高さを低く抑え、頑丈な機械構造を作り上げるという利点もあります。
結果として出力性能が大きく、非常に効率  な放熱性能を持つ、コンパクトなモータの設計が可能になります。

■アイアンレス リニアモータの長所

引力が発生しない:2 本並列に配置されたマグネットの間で均等に力が配分される。安全で取り扱いが簡単。組み立てる際にのみ対処する力を必要としない
・コギングが発生しない:可動子がアイアンレスであるためコギングが発生せずに、スムーズな動作が可能
・可動子が軽量:鉄を使用していないため、加減速が大きくなり、機械の処理能力が高まる
・広い隙間:装置への組み込みや調整が用意に行える

■アイアンレス リニアモータの短所

・低い放熱効率:熱による影響を受ける ※Parker は独自の I ビーム型デザインにより問題が緩和されます
・出力性能:アイアンコアタイプに比べ出力性能が劣る
・高コスト:マグネットを 2 本並列に使用


Parker ではアイアンレス リニアモータを部品単位(I Force シリーズ)での販売及び設計・構築済みリニアモータ アクチュエータ位置決めシステムとして容易に組み込んでいただけるユニット(製品名:T  シリーズ)の販売をしております。アイアンレス リニアモータ  I Forceシリーズ及びリニアモータ アクチュエータ Tシリーズ(図 11)に関してはカタログをご参照ください。

■ アイアンレスリニアモータラインナップ紹介

 

お問合せ:

JAPAN PARKER マーケティングチーム

TEL 03-6328-4563

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